EU特別ニーズ・インクルーシブ教育機構

        2020/2021年各国比較調査

「はじめに」の要約

・この「欧州インクルーシブ教育統計 (EASIE)」 は、欧州特別支援・インクルーシブ教育機構 の長期的な活動によるもので、インクルーシブ教育に関する国の優先政策を知らせるために、明確に焦点を絞ったデータを提供することを目的

・ EASIE のデータ収集は、国連子どもの権利条約 (1989 年) および障害者の権利条約 (2006 年) に概説されている学習者の権利、および欧州の教育協力の戦略的枠組みに沿っている

・ EASIE データ収集作業では、毎年、定量的な国のデータを収集し、定性的な国の背景情報を軍籍している。

・ また、すべての学習者のインクルーシブ教育へのアクセスに関する国レベルの取り組みを知らせるための合意された指標などの成果も生み出している。

・調査対象は、 国際標準教育分類 (ISCED) に基づく教育レベルのプログラム – 就学前教育 (ISCED 02)、初等教育 (ISCED 1)、前期中等教育 (ISCED 2)、後期中等教育 (ISCED 3で、国公立、独立、私立の主流学校、特別学級、特別学校(教育行政機関以外の管轄を含む)。


*このHPでは4種類の指標に絞って紹介。表1は主流(通常)学校在籍者割合、表2はインクルーシブ教育を受けている割合、表3は特別学校在籍者割合である。


表1は主流(通常)学校で教育を受けている子どもの割合

これは主流(通常)学校の主流(通常)学級や特別学級で学んでいる割合である。


表2はインクルーシブ教育を受けている子どもの割合

ここでいうインクルーシブ教育とは、以下のように「主流(通常)の集団あるいは学級において仲間とともに時間の80%以上教育を受けているという意味」である。前期中等学校において100%以上になっている国はクロアチアとマルタとなっている(ただクロアチアが100.41%になっている事情については今後の検討課題としたい)。この他、割合が99%以上ある国、つまりインクルーシブ教育が進んでいる国はブルガリア、キプロス、イタリア、セルビア、スペインである。一方、インクルーシブ教育が遅れている国(後掲の日本は小中であるが、95.8%)としては、ベルギー(フラマン語圏:88.30%)、スウェーデン(90.80%)、デンマーク(91.82%)、エストニア(93.23%)、オランダ(95.01%)、スイス(95.79%)、フランス(96%)である。



表3:主流(通常)教育外で分離教育を受けている割合

これを表2と合わせると100%となる。従って、上記においてインクルーシブ教育や主流教育が進んでいない国がこの割合が高くなっている。数字が明確になっているところは、デンマーク(4.5%),

フランス(3.86%)、エストニア(2.92%)となっている。



 2011年3月ドイツにて

 <通常学校の通常学級にて>

 2011年3月 ドイツの特別学校にて(ドイツには特別学級がなかった)




日本のデータ

嶺井正也の教育情報

日本やイタリア、国際機関の公教育政策に関するデータ、資料などを紹介する。インクルーシブ教育、公立学校選択制、OECDのPISA、教育インターナショナルなどがトピックになる

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