イタリアのインクルーシブ教育について

 ローマ大学のValentina Della Volpeが書いた The Inclusive Education for Disabled Students in Italian Schoolsを読むことができた。2014年に公表された英語の論文である。

 同論文は2012年頃のイタリアのインクルーシブ教育の現状を紹介した後、その歴史を概括している。それによる第1期・学校教育は1923~1970年、第2期・ Academic insertionが1971~1993年、第3期・インクルージョンが1994年~現在と区分けされている。

 イタリアが国連の障害者権利条約を批准したのが2009年であるから、本論文はそれから数年後までを扱っているが、そこで中心となっているのは個別教育計画と支援教師である。そして、その後、ローマの中学校の実態を報告している。

 この論文を読む限り、1992年2月に制定された「ハンディキャップップ(当時の用語)者基本法」が土台となっていることが分かる。筆者がミラノで調査を開始したのが1992年4月であるから、まさに同時代の法律である。

 さて、この論文で論じられているイタリアのインクルーシブ教育については、内閣府『平成22年度障害のある児童生徒の就学形態に関する国際比較調査報告書』(https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/h22kokusai/index.html )所収の一木玲子論文も詳しく紹介している。

 さて、この1992年法律第104号はその後、何回か改正されているのが、その詳細の検討はこれからになる。

 また、今イタリアでは新しい個別教育計画dくりが始まっており、すでに国レベルの指針は示されているのので、そう変わっているのかの詳細も今後の検討である。

嶺井正也の教育情報

日本やイタリア、国際機関の公教育政策に関するデータ、資料などを紹介する。インクルーシブ教育、公立学校選択制、OECDのPISA、教育インターナショナルなどがトピックになる

0コメント

  • 1000 / 1000