国際教育計画研究所(International Institute of Education Planning)のインクルーシブ教育のとらえ方

 

 以前所属していた公教育計画学会のHPに、ユネスコの国際教育局(International Bureau of Education)が刊行したインクルーシブ教育に関する冊子の翻訳を掲載したことがある。

 このユネスコの国際教育局についてはこれまでもその資料を読んだり、情報を集めたことがああったが、なんとも不思議なことに、いや怠慢なことにユネスコ関係の機関としてこの国際教育研究所(IIEP)なるものが1964年以来活動していることは、今まで知ることがなかった。

 最近のユネスコのインクルーシブ教育に関するデータや資料がないかと、「UNESCO, inclusive education」で検索をかけてみたら、二番目に出てきたのがhttp://www.iiep.unesco.org/en/inclusive-educationであった。以下にそのサイトを紹介する。(以下をよむと、途上国を対象としたユネスコの援助機関にようである。)


インクルーシブ教育の計画 (Planning for inclusive education)

  インクルーシブ教育とは、誰であろうと、すべての子どもたちが同じ学校で一緒に学ぶことができることを意味する。(下線、引用者) これには、すべての学習者に手を差し伸べ、参加と達成とを制限する可能性のあるすべての障壁を取り除くことが含まれる。 障害は排除の主な原因の1つであるが、 ただし、インクルーシブ教育には、他にも社会的、制度的、物理的、態度的な障壁がある。

 第4の持続可能な開発目標(SDG4)と2030年の教育アジェンダの中核部分であるインクルーシブ教育システムは、すべての子どもと若者の多様なニーズ、能力、特性を尊重し、あらゆる形態の差別を認めてい。インクルーシブ教育システムはよりインクルーシブな社会の形成を可能にする。

 Devexが発行した最近の意見記事で、教育への参加を計画する緊急の必要性について詳しく知ることができる。https://www.devex.com/news/opinion-the-urgent-need-to-plan-for-disability-inclusive-education-94059

障害にかかわるインクルーシブ教育計画に焦点を当てる 

  障害のある子どもたちは依然として教育から最も除外されているグループの1つである。世界保健機関によると、世界中の10億人の障害者のうち1億5000万人が子どもである。しかし、これらの子どもたちが誰であるか、そして彼らの個々のニーズが何であるかについての情報は限られている。その結果、国はしばしば障害のある子どものを自国の教育制度に含める方法を知らない。スティグマの持続、学校の設計の不備、インクルーシブ教育に関する教師の研修と適切な学習教材の欠如により、学校へのアクセスと学習が余計に困難になっている。

  ユネスコのIIEPは障害を含む教育計画を推進するために、2018年7月に8か国の主要な政府関係者、開発パートナー、障害者団体を対象に、ユニセフとともに技術円卓会議を開催した。インクルーシブ教育を積極的に進めているという理由から、カンボジア、エチオピア、フィジー、ガーナ、ケニア、ネパール、南アフリカ、ベトナムなどの国々が招待された。

 全体会議のウェブキャストもここで見ることができる。http://www.iiep.unesco.org/en/watch-daily-highlights-our-round-table-disability-inclusive-education

近々の取組み 

  IIEPは現在、ユニセフと協力して、インクルーシブ教育計画に関する研修コースを開発している。 これは、2020年に開始する予定の遠隔教育コースから始まる。アフリカの英語圏諸国(このコースは後でフランス語で実施され、またその他の地域で開催される予定)を対象に主に教育省のスタッフを対象としている。

  IIEPのダカール支部はまた、インクルーシブ教育に関するガイダンスを含む教育セクター分析指針第3巻刊行に際し、ユニセフ、教育のためのグローバルパートナーシップ、世界銀行と協力している。 

  更新と詳細については、Twitterで#Plan4Inclusionをフォロー。

 

 

嶺井正也の教育情報

日本やイタリア、国際機関の公教育政策に関するデータ、資料などを紹介する。インクルーシブ教育、公立学校選択制、OECDのPISA、教育インターナショナルなどがトピックになる

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