俳優で考古学者の苅谷俊介さんのブログを通じた初めて知った「糖原病」に関するアメリカの取り組みの一部を紹介する。また他州のものを見つけることはできていないが、コネチカット州のある学区が作成した指針である。食物アレルギー対応が中心であるが、糖原病にもふれている。
未完(翻訳不明あり)ではあるが、早めに概要を知ってほしいと思い、このページに掲載することにした。今後、少し修正する可能性があることを承知していただきたい。
ニューヘブン公立学校
食物アレルギー及び糖原病(GSD)の管理指針
政策第514.25(a)号 2017年8月改訂
学校はアレルギーのない環境を保証することはできませんが、学校の環境ではアレルゲンに偶発的に晒される危険性は減らすことができると認識しています。ニューヘブン公立学区は、保護者、生徒、医師と協力して、危険性を最小限に抑え、すべての生徒に安全な教育環境を提供することに取り組んでいます。すべてのアレルギー管理に関して予防、教育、自覚的コミュニケーション、および緊急時の対応を重視しています。これらの指針は食物アレルギーとGSDに対応するものですが、学区はアレルギー反応の兆候/症状の認識についての情報を職員、保護者そして生徒に提供し、研修も行っています。投薬(
Medication)または学校での管理のいずれかを必要とする既知のアレルギーを持つ生徒の全員が同様の方法で管理されます。アレルギーの種類に関係なく、個別健康ケア計画(IHCP)と緊急時ケア計画(ECP)を作成し、それに基づいて対応を行います。
ニューヘブン公立学校の食物アレルギー管理計画は生命を脅かすアレルギーを持つ生徒の健康と安全を発達上適切な方法で維持し、自己擁護(self-advocacy)と自己管理の能力を促進し、教育機会を提供することを目的としています。
コミュニケーション計画
主要な担当者愛でで生徒一覧と管理計画を共有します。 コミュニケーション計画の目的は内部および外部のすべての関係者に、学区の食物アレルギー方針を理解し、管理計画を支援する機会を提供することです。 コミュニケーション計画には、時系列表(timeline)、コミュニケーション対象象者、およびコミュニケーション方法論が含まれます。
時系列表(Timeline)
さまざまな関係者が食物アレルギーの方針と管理計画を認識していることを確認するための時系列表を作成し、方針についての情報が毎年作成され維持されるようにします。 時系列表はまた、学区が特定の時間枠内で情報を共有するための説明責任を果たすものになっています。 時系列表により、すべての関係者が定期的に、透明性を保ちながら食物アレルギー方針と対応する管理計画を確認できるようになります。
対象となる学校内外の関係者集団
コミュニケーションは両親、校長、教師、生徒、バスの運転手、補助職員(paraprofessionals)、学校医療専門家(school medical professionals)、昼食のスタッフ、放課後活動提供者(afterschool providers.)という関係者集団に提供されます。 この集団の役割は考え方を共有し、疑問に答え、学校機能に不可欠な要素の詳細情報を収集することです。 さらに、この集団には確定ずみの会議日程表(an established meeting schedule)が渡されます。
コミュニケーション方法
コミュニケーションはウェブサイトへの投稿、PDさらに上記の関係者集団への研修などでなされます。 さらに、生命を脅かすアレルギーに関する情報を提供する小冊子が作成されています。 州法に従い、必要に応じて定期的に更新されるようになっています。
*PDについては現段階では不明
B. 学校職員、親及び主要地域協力者の研修・教育計画、
この計画で概説されている管理戦略の調整と実施を切れ目なく行うため、計画のそれぞれの部分に責任を持つ関係者は、その役割と責任について適切な研修を受ける必要があります。 以下は、2017年12月1日までに計画の展開を完了するための、期限別の研修、関係者集団、指導者及び研修方法についての時系列的に整理したものです。
*訳注:教室教師の英語はclassroom teacherである。アメリカでも小学校の場合は担任教師homeroom teacher制になっているが、本指針ではそのhomeroom teacherも含めてclassroom teacherと表現していると判断した。
学校看護師の管理責任と緊急時計画
1. 生命を脅かす食物アレルギーのある子どもは学校への登録時に健康診断記録表(Health Assessment HAR)フォームで、投薬(medication)または行動計画の処方者の承認時に、または医療文書を添付した親/保護者からの通知文書で、などさまざまな方法で認知できます。看護師は入学するすべての新入生の医療記録(the medical records)を注意深く確認するようあらゆる努力をします。
2.看護師は病歴(をa medical history)を知るために親と面談するようになってます。その時に、子どもがアレルギーを起こしている食品一覧と、これらの食品を摂取した後の反応も確認する必要があります。子どもがそのアレルギー食品を簡単に手にする可能性があるかどうかも確認しなければなりません。この履歴には、過去の反応とそれらがどのように管理されたかについての説明も含まれます。
3.個別健康ケア計画(IHCP)および緊急行動計画が、文書に記載されている重度の食物アレルギーを持つすべての子どものために作成されるべきです。計画は臨床医(clinician)の指示に基づいて、家族や教室教師からの意見を取り入れて、生徒の特定のニーズを満たすように個別に作成されなければなりません。
・名前、識別情報、写真
・アレルギー名
・偶発的に摂取した場合(an accidental exposure)の兆候と症状
・アレルゲン食物を摂取した時に投与される薬
・IHCPごとのエピペン自動注射器の位置と保管
・誰が管理するか(自己管理する場合も含む)
・追跡計画計画(911に電話)
・緊急連絡先
・遠足(fieldtrips)中の危険性管理と投薬管理の計画
4.子どもの食物アレルギー情報は学校職員と共有されます。学校看護師はアレルギーの存在、特定のアレルゲン、および子どものエピペンの位置を示す医療通報(medical alert)をパワー・スクール(PowerSchool)に入力します。これは必要に応じて、看護師室または薬の自己運搬に関して作成された注記場所のいずれかに置かれます。エピネフリンを処方された生徒についても医療通報に記載されます。保護者と保護者を含む学校チームで、そして必要に応じて生徒と、少なくとも年に一度再点検を行います。生徒の自己監視能力と自己ケア能力に変化があった場合、または新しい医療指示を受けた場合は、より頻繁に再点検を行う必要があります。
*訳注:医療通報については
https://ameblo.jp/kiraribosi/entry-12614366404.html
*訳注:パワー・スクール(Power School)とは「パワー・スクールは学区の生徒情報システムであり、年間を通じて登録、成績の表示、出席の確認に使用される」ウェブサイトのこと。実際の利用はhttps://ameblo.jp/ayu-ssm/entry-12629027344.htmlで分かる。
5.学年度の開始にできるだけ早い時期に、保護者/保護者は、子どものアレルギー、投薬、緊急時計画、および臨床医によって指示された制限/宿泊施設に関して書面による最新情報を提供するよう求められます。投薬管理書類(medication administration forms )
は医師(physician)が記入し、毎年親が署名する必要があります。薬は親/保護者、または少なくとも18歳以上の許可された被指名人(an authorized designee)が適切にラベルを貼り、学校看護師、管理者、または被指名人に届けなければなりません。 生徒が学校看護師に薬を届けてはいけません。
6.学校看護師は保健室(health office)での救急薬の保管に責任を負うものとします。 保健室では、学校の日中、学校職員がエピペンに簡単に手が届くようにする必要があります。 救急薬の投与場所を決定する際には、当の生徒だけでなく他の生徒学生の安全を考慮に入れなければなりません。 保健室内で手が届く範囲内の場所だけでなく、自己投与が許可されている場合、救急薬は子ども本人(the child's person)が保管する場合があります。 または、学校看護師による投薬管理の研修受けて資格を得た、あるいは子どものIHCPで指名されている学校職員が保管します。
親/保護者の管理責任と緊急時計画
1. 子どもの食物アレルギーの程度と性質について多くの情報を学校に通知すること。この情報は少なくとも年に1回更新すること。
2. 学校看護師や学校のチームと協力して、教室、カフェテリア、放課後の活動、スクールバスなど、学校生活おける子どものニーズに対応する計画を立てること。
3. 医師の指示に従って医療文書、指示、および投薬を行うこと。 その際、投薬および緊急対応手順もきちんと承認される必要があります。
4. 医療提供者(the health care provider)と連絡を取る看護師のために許可証を提供すること。
5. 使用後または有効期限が切れたときに薬を交換すること。
6. 学校に連絡できるよう本人、自宅、携帯電話、職場などのすべての電話番号と、できれば親/保護者に連絡できない場合に備えて2つの緊急連絡先の名前と電話番号を知らせること。
7. 可能な場合あるいは要請を受けた場合に、遠足に付き添うこととする。
8. 安全な食品と安全でない食品を含む食物アレルギーの自己管理、安全でない食品摂取を回避するための方略について子どもを教育すること。その他、 アレルギー反応の症状、 アレルギーに関連する問題がある可能性があることを大人に伝える方法と時期、さらに(年齢に適した)食品ラベルの読み方も教えること。 教育によって自己擁護と自己ケアの能力を促進すべきです。
管理と緊急時計画に関する学校の責任
1.障害のあるアメリカ人法( ADA)、アメリカ障害のある個人教育法(IDEA)、第504条、家族教育の権利とプライバシー法(FERPA)、;医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)、さらに含む、適用される州法、連邦法、学区の方針をよく知り、それに従うこと。
*訳注:第504条とはアメリカのリハビリテーション法第504条のこと。これについて「アメリカにおいて、障害者差別にかかわる法律としては、ADAに先立ち、1973年にリハビリテーション法504条が施行された。リハビリテーション法504条は、連邦政府、連邦政府の請負業者、連邦政府の財政支援を受けた団体に対して、障害に基づく差別を違法とし、雇用において、障害に基づき差別しないことを保証することも求めている」という内閣府の説明がある。(https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/h27kokusai/h2_2_1.html)
2.食品アレルギーの生徒を学校活動に参加させること。
3.救急投薬(emergency medication)を管理する法律に従って投薬についての適切な研修を受けた学校職員を指名すること。 利用可能な看護師がいない場合は、アナフィラキシーの初期症状の認識と投薬管理の研修を受けた職員が少なくとも3人いる計画を立てる必要があります。
4.救急医療(a medical emergency)の際に不可欠な担当者間の効果的なコミュニケーションの方法を決定すること。これにはトランシーバー、インターホンシステム、または緊急時に学校看護師または緊急対応チームの対応時間を短縮するための他の方法を含むようにします。遠足などの学校を離れる活動中にも通信システムを確立しなければなりません
5.食物アレルギー管理上適切な戦略を決定するために、家族と遠足について話し合うこと。教室教師は子どもの両親に十分な通知をし、エピペン管理の研修を受けた親/保護者または他の家族を遠足で子どもに付き添うように依頼する必要があります。これが不可能な場合、教師は生徒を連れて行き、避けるべき食べ物と取るべき予防措置を確認します。その生徒に食べ物が提供されるかどうかを遠足前に親/法定後見人に通知し、その生徒に提供される食べ物の安全性を確認してください。遠足中に生徒に自分の軽食や昼食を持参させることを検討してください。
6.月に一度、教室でのお祝いは教師および/または校長の裁量で行われます。 生徒自身の個人的な軽食以外の外食は許可されていません。 生命を脅かす食物アレルギーのある子どもは、親/保護者から提供された、または親/保護者によって安全であると見なされた食品のみを食べるものとします。 親の承認なしに、生命を脅かす食物アレルギーのある生徒に食物を提供してはなりません。 学校職員は学校に持ち込まれた食品についてアレルギーのある子どもが安全に摂取できるかどうかの判断はしないようにします。
7.学校での重度の食物アレルギーに関連する臨床知識と技能を更新するための専門能力開発の機会を学校看護師に提供すること。
管理と緊急時の計画に関する生徒の責任
1.アレルギー反応の症状を知る学習により、発達段階に応じて自分自身の食物アレルギーと反応についてケアと管理に積極的に取り組むこと。
2.他の人と食べ物を交換したり共有したりしないこと。
3.未知の成分を含むもの、またはアレルゲンを含むことが分かっているものを食べないこと。
4.アレルギーのある食品が含まれている可能性があるものを食べた場合は、直ちに成人に通知すること。
5.子どもはいつでも自分用のエピペンを携帯することが許可されています。 彼/かの女は自らの管理と監督の下で緊急薬を保管するようにしておかなければなりません。 さらに、他の生徒がそれらに手を触れたりせず、また不注意に自分自身を傷つけないように、生徒は自分の薬を管理する責任を負わなければなりません。
教室教師用の指針と責任
1.教室教師は生徒のIHCPおよびECPの開発に参加する必要があります。
2.反応が疑われる生徒を学校の看護師のところまで一人で歩いて行かせることがあってはいけません。
3.教室教師は代替教師のために、情報を整理し、目立つ形式や入手可能な形式で残す必要があります。 この情報は教室のボランティア、教育実習生、チューターおよび補助職員にも伝達されるものとします。
4.教室教師は親や学校看護師と調整しながら、年齢相応の用語をつかって、、自らの授業用として、食物アレルギーとアナフィラキシーに関する指導案を作成する必要があります。
5.食物アレルギーのある生徒の対処方法を知ること。 また、この機会を利用して、地域社会のケア体制を教えたり、 いじめに関する学校の規則/方針に即した取り組みを行うこと。
6..教室の他の子どもたちの親には、アレルギーのある子どもが教室にいるという情報を文書で通知する必要があります。 避けるべき食品一覧はその親たちにも配布すること。
7.教室企画に使用される食物は制限されるべきです。 既知の食物アレルゲンまたはキャンディーは美術工芸展、計算狂騒(counting)、科学企画展といった教室の企画活動に使用してはなりません。 教師は教室企画で使用される食品について、食品アレルギーのある生徒を通じてその保護者の承認を得る責任があります。 (食物アレルギー許可書については付録Bを参照してください)。 食物に替わるものが検討する必要があります。
8.アレルギーのある子どもと接触する生徒や職員は、特におやつ、昼食、またはその他の食事の後は、適切な手洗い手順を決めておかなければなりません。手指消毒剤を使用しても、食物アレルゲンの残留物の除去には効果的ではありません。
9.年齢上適切ならば、アナフィラキシーについて担当授業で話し合うこと。
10.生徒に食べ物や道具を共有しないように勧めること。
11.食物やキャンディーは報酬、動機付け(incentive)、または教室でのお祝いに使用してはなりません。良い仕事に報いるために、ステッカー、色鉛筆、またはその他の非食品の使用を検討してください。食物以外のお祝いの推奨事項と資源については、付録Aを参照してください。これも当該学校の健康方針(Wellness Policy)の一部になっています。
12.遠足を計画する前に看護師と協力して、目的地での危険性回避と目的地の往復の輸送について事前に計画を立てます。食物アレルギーのある子どもについてはアナフィラキシーを早期の発見とエピペンの使用の研修を受けた職員が担当を割り当てられること、さらに自動注射器(the auto injector)は生徒の、または研修を受けた職員の手で保管すること。
食堂(lunch room)用の指針
1.子どもが昼食を購入する保護者には、カフェテリアの昼食メニューの複写を事前に渡すようにします。両親は子どもが選択できる食品を識別して承認できるように、食品表示の提供を求めることができます。
2.カフェテリアでは、食品に既知のアレルゲンが含まれていない限り、テーブルで食事をしたい子どもとその友人のために「アレルゲンなし("allergen free)」のテーブルを指定できます。可能であれば、そのテーブルは1日を通してアレルゲンなしのテーブルとしてのみ使用しなければなりません。
3.テーブルは、そのテーブル専用の布巾、または食品タンパク質を効果的に除去することが知られている使い捨ての紙タオルや清掃用品で洗浄するようにします。
4.資格のある医師が食物アレルギーが生命を脅かす反応を引き起こすほど深刻であると判断した場合、その食物提供プログラムは医師による処方にしたがって替わりのプログラムが作成されなければなりません。
5.保護者の許可を得て、生徒のECPと写真を食堂におくこと。
6.潜在的な食品アレルゲンによる二次汚染(cross contamination)を避けるために、食品取り扱い指針を確認し、それに従ってください。
スクールバス会社用指針
1.スクールバスの運転手には、生命を脅かすアレルギーと、摂取したアレルゲンで悩んでいる子どもを認識する方法が教えられなければなりません。
2.緊急時には、運転手はすぐにコーディネーターに電話をかけ、会社の方針に従って911に電話をかけます。
3.スクールバスでの飲食物の持ち込みは禁止されています。 これを示すポスターがスクールバスに掲示されます。
4.生命を脅かす食物アレルギーのある生徒についての情報は代替バス運転手にも前もって知らせるようにして下さい。
5.アレルギー反応の兆候/症状を含むバス運転手の研修は、指定された職員によって毎年実施されます(研修の項目参照)。
アレルゲンの摂取が疑われる場合の医学的対応指示
アナフィラキシーはアレルゲン摂取後にアレルギーのある人に発生する、生命を脅かす可能性のある病状です。 アレルギーのある人々は私たちの食事や環境にある無害な要素を標的とする過剰反応性の免疫システムを持っています。 食物に対するアレルギー反応の間、免疫系は特定の食物タンパク質を標的として識別します。 これにより、免疫系の細胞で一連のイベントが開始され、ヒスタミンなどの化学伝達物質(chemical mediators)が放出されます。 これらの化学伝達物質は皮膚、呼吸器系、胃腸管、および心臓血管系の組織で炎症反応を引き起こします。 炎症症状が広範囲に及び全身性である場合、その反応は「アナフィラキシー」と呼ばれ、生命を脅かす可能性のある事象です。 アナフィラキシーとは、体内の複数のシステムに影響を与える症状の集まりを指します。 これらの症状には次のものが含まれます。
皮 膚:体のあらゆる部分の腫れ
じんましん、体のあらゆる部分に発疹
体の一部のかゆみ
唇のかゆみ
呼吸器:鼻水
咳、喘鳴、呼吸困難、息切れ
喉の圧迫感または閉鎖
嚥下困難
声の変化
胃 腸:舌、口、喉のかゆみ
嘔吐
腹痛
腹痛
吐き気
下痢
心血管:心拍の不規則性
紅潮した薄い肌
唇と口のチアノーゼ
血圧の低下
失神または意識喪失
めまい、精神状態の変化
その他:切迫した運命の感覚
不安
かゆみを伴う赤い涙目
アナフィラキシーはかゆみやじんましんなどの皮膚症状がない場合にも発生する可能性があります。 致命的なアナフィラキシーは、腹痛、吐き気、嘔吐などの呼吸器症状またはGI症状を呈する子どもによく見られます。 多くの致命的な反応では、アナフィラキシーの初期症状が喘息または軽度の消化管疾患と間違えられ、エピネフリン自動注射器による治療が遅れることがあります。
致命的なアナフィラキシーは、喘息が軽度で十分に管理されている場合でも、喘息の食物アレルギーのある子どもによく見られます。アナフィラキシーの病歴のある子ども、または以前の食物反応に呼吸困難、喉の腫れ、緊張などの呼吸器症状が含まれている子どもも、重度または致命的なアナフィラキシーの危険性が高くなります。
アナフィラキシーは特徴的に即時反応であり、摂取後1〜2時間で発症する場合がありますが、摂取から数分以内に発生します。アナフィラキシー反応の最大30%で、最初の症状の後に2〜4時間後、場合によってはそれ以上の症状の2番目の波が続くことがあります。症状の初期段階とそれに続く症状の後期段階のこの組み合わせは、二相性反応(biphasic reaction
)として定義されます。初期症状は通常エピネフリン自動注射器に反応しますが、遅延反応はエピネフリン自動注射器またはアナフィラキシーで使用される他の治療法にも反応しない場合があります。
アナフィラキシーの症状の早期認識、エピネフリン自動注射器の即時投与、および緊急医療システムによる子どもの迅速な移動は、食物誘発性アナフィラキシーの重症度と急速な発症のために不可欠です。
症状が治まらない場合は、2度目のエピネフリン自動注射器が必要になることがあります。エピネフリンの投与前ではなく、できるだけ早く親に通知する必要があります。
疑わしい場合は、エピネフリン自動注射器を提供し、救急車のEMSシステムを呼び出すことをお勧めします。エピネフリンの投与が差し控えられると、死亡者が発生する可能性が高くなります。
糖原病の管理
糖原病(GSD)は、異常な量または種類のグリコーゲンが肝臓に蓄積される遺伝性疾患です。 この異常な貯蔵は、肝臓がグリコーゲンとブドウ糖の代謝を適切に調節できないことに起因します。 「糖原病は、糖(ブドウ糖)の貯蔵形態(グリコーゲン)への変換またはグリコーゲンからのブドウ糖の放出を調節する酵素(体内で生成されるタンパク質)が欠落している場合に発生します」(シンシナティ子ども医療センター[CCHMC]、2012年 )。
食品には多くの糖分(ブドウ糖を含む)が食品に含まれており、エネルギー源として体によって使用されます。食事の後、血糖値が上昇します。体は、肝臓にグリコーゲンとしてすぐに必要とされない余分なブドウ糖を貯蔵します。 その後、体内の血糖値が低下し始めると、体はこの蓄えられたエネルギーを使用します。グリコーゲンの形で蓄えられたこれらの糖は、機能を実行する前に体内の酵素によって処理される必要があります。 それらを処理するために必要な酵素が不足している場合、グリコーゲンまたはそれに関連するデンプンの1つが蓄積し、問題を引き起こす可能性があります」(CCHMC、2012年)。
少なくとも10種類のGSDがあり、不足している酵素に基づいてグループに分けられます。 約2万人に1人が糖原病にかかっています。 GSDの最も一般的な形式は、タイプI、III、およびIVです。
・GSDI(フォンギエルケ病)は、酵素グルコース-6-ホスファターゼの欠乏に起因します(CCHMC、2012年)。 これは最も一般的なタイプのGSDであり、その影響は小児期の非常に早い時期に明らかになります。 GSD IはすべてのGSD症例の約25%を占めています」(American Liver Foundation、2011年)。
・GSDIII(コリ病)では、デブランチャーと呼ばれる酵素が不足しているため、体が異常な構造を持つグリコーゲン分子を形成します。 この異常な構造はまた、グリコーゲンがブドウ糖に分解されるのを防ぎます。
・GSDIV(アミロペクチン症)では、組織に蓄積するグリコーゲンは非常に長い外枝を持っています。
これは、分岐酵素の遺伝的欠陥によるものです。 この異常なグリコーゲンは免疫系を刺激すると考えられています。 その結果、肝臓だけでなく、筋肉や心臓などの他の臓器にも大きな瘢痕(肝硬変)が生じます(CCHMC、2012年)。
糖原病の症状
「GSDの症状は、不足している酵素によって異なります。通常、グリコーゲンの蓄積または必要なときにブドウ糖を生成できないことが原因です。GSDは主に筋肉と肝臓で発生するため、これらの領域で最も明らかな症状が見られます。症状 GSDには次のものが含まれます。
・成長障害
・筋肉のけいれん
・低血糖
・肝腫大
・腹部の腫れ
・異常な血液検査(CCHMC、2012年)。
糖原病の治療
GSDの治療はGSDの種類によって異なりますが、 一部のGSDタイプは治療できません。その他人は現われ症状を制御することによって治療することができます。 治療できるGSDの種類については、患者は特別な食事療法(special diet)に注意深く従う必要があります。
日中に高炭水化物の食事を頻繁にとること。 一部の子どもにとっては、砂糖とでんぷんが豊富な少量の食事を毎日食べることで、血糖値の低下を防ぐことができます。
・コーンスターチ。 2歳以上の一部の幼児の場合、生のコーンスターチを4〜6時間ごとに(夜間を含む)与えることで、問題を軽減することもできます。
・継続的な経管栄養。 適切な血糖値を維持するために、高濃度のブドウ糖を含む溶液を胃腸管に給餌する必要がある場合があります。 年少の子どもは成人になるまで夜間にこの治療法をしなければならない場合があります。 昼間は栄養チューブを外すことがありますが、患者さんは約3時間ごとに糖分やでんぷんが豊富な食品を食べなければなりません。 この治療法によりほとんどの症状を元に戻すのに成功する可能性があります。
・薬物治療。 GSDは尿酸(老廃物)を蓄積する傾向があり、痛風(関節の痛みを伴う炎症)や腎臓結石を引き起こす可能性があります。
・薬が必要になることがよくあります(CCHMC、2012年)。
コネチカット州教育省、コネチカット州の学校で生命を脅かすアレルギーの管理指針(グリコーゲン貯蔵病を管理するための指針を含む)、2012年。
学校看護師は糖原病の生徒のために、個別の医療計画と糖原病行動計画を作成するものとします。 その計画によって学校看護師または被指名人が投与する食品または栄養補助食品を提供します。 また、親/保護者または親/保護者によって指定された人が、学校の日中に学校の敷地内で食品または栄養補助食品を提供することを禁止してはなりません。
州法
PA05-104食物アレルギーおよび学校での生命を脅かす事件の防止に関する法律。 この公法では、国務省が生命を脅かす食物アレルギーのある生徒の管理に関するガイドラインを作成し、2006年1月1日までにこれらの指針を利用できるようにする必要があります。さらに、2006年7月1日までに、各地方および地域の理事会が 国務省は、その管轄下にある学校に在籍する生命にかかわる食物アレルギーのある生徒の管理に関するこれらの指針に基づいた計画を実施するものとします。
CGS10-212a学校での投薬の管理。 この法令は、学校での投薬の管理に関係しています。 この法律は、誰が薬を処方する可能性があり、誰が学校の環境で薬を投与する可能性があるかを扱っています。
<以下、翻訳継続中>
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