2021.02.28 08:38イタリアのインクルーシブ教育について ローマ大学のValentina Della Volpeが書いた The Inclusive Education for Disabled Students in Italian Schoolsを読むことができた。2014年に公表された英語の論文である。 同論文は2012年頃のイタリアのインクルーシブ教育の現状を紹介した後、その歴史を概括している。それによる第1期・学校教育は1923~1970年、第2期・ Academic insertionが1971~1993年、第3期・インクルージョンが1994年~現在と区分けされている。 イタリアが国連の障害者権利条約を批准したのが2009年であるから、本論文はそれから数年後までを扱っているが、そこで中...
2021.02.27 08:25ファルクッチ委員会報告(1975年)についてイタリアのインクルーシブ教育の「マグナ・カルタ」と評価されているファルクッチ委員会報告について、何とも不十分であるが、現役時代に発行していた「Public Education Study」という小冊子に2,3回小論を書いたことがある。 そのなかでPES No.6(2016年発行)に書いた一文をここに引用しておきたい。 <国会でのファルクッチ>② シモーナ・ダレッシオ(Simona D’Alessio) の評価
2021.02.25 05:58イタリア教育情報イタリアの公教育省は2020年11月に2018/2019学年度における障害のある生徒についての基本データを以下のような表紙をつけた資料を公表した。以下の表から分かるように、イタリアでも学校に在籍する障害のある児童生徒数が増えていることが分かる。しかし、2004/2005学年度には幼児学校から高校までの学校に在籍する児童生徒数に占める障害のある児童生徒の割合は1.89%だったのが、2018/2019年度には3.31%までに増加している。 周知のようにイタリアの特別学校にはごくわずかの児童生徒しか在籍していないので、特別学校から通常の学校に障害のある児童生徒が移ってきたわけでない。したがっていわゆる「発達障害系」の子どもたちの認定増加が予想されるが、その経...