2024.09.03 08:26 二冊の本の第一印象アントネット・ムーラ『イタリアのフルインクルーシブ教育 障害児の学校を無くした教育の歴史・課題・理念』(明石書店、2022年)とガート・ビースタ『教育にこだわるということ 学校と社会をつなぎ直す』(東京大学出版会、2021年)の二冊をざっと目を通した印象を記しておきたい。良書を深く読み込んだ上での感想でしかない事を、あらかじめ断っておきたい。まず最初の本。主題の「フルインクルーシブ教育」の「フル」という形容詞はイタリアでほとんど見かけない。この点について違和感を覚えたが、副題に「障害児の学校を無くした」とあることについて、あきれてしまった。以前、アメーバブログにも書いたが、イタリアには特別学校が現存するからである。その証拠の一つがミラノのある「ラリッ...
2024.08.20 00:09英国のGSD協会HP掲載の情報: AAV8 遺伝子治療薬 DTX401https://agsd.org.uk/wp-content/uploads/2024/06/UK_DTX401-Ph3.pdf*英国の糖原病協会のHP[に掲載(2024年8月15日確認)されたⅠa型糖原病に治療薬についての情報があったので、ここに紹介。日本でもほぼ同時期にhttps://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2073230126でとりあげらている。
2024.08.14 09:43 「岡村達雄さんの研究・社会活動を振り返る」 本稿は、2009年1月10日(土) 専修大学神田校舎1号館8A会議室で行われた「岡村達雄さんを偲ぶ会」の「 第一部 シンポジウム 岡村達雄さんの研究・社会活動を振り返る 」を起こしたものである。15年も前の記録であるので、ここに登場される方々に事前了解はしないままでの掲載になっていることを、お詫びしておきたい。 残念ながら篠原睦治さんは2023年5月8日、鬼籍に入られている。******************************************嶺井正也 私は岡村さんの大学院時代の後輩に当たります。そういうことで「岡村さんを偲ぶ会」を呼びかけさせていただきました。第一部は、岡村さんの研究・社会活動を振り返ることをいたしますが、その進行役は...
2024.07.28 07:58イタリア糖原病協会第26回全国大会(10月5・6日) 大会案内(抄) 今年も、第 26 回目となる糖原病協会全国大会が開催されます。このイベントは常に、友好的な人々と出会い、新しい人々と出会い、経験を共有し、知識を交換して深め、重要な科学の進歩や発見について最新情報を得る重要な機会となってきました。 時間が経つにつれ、多くの変化が起こり、私たちは同じ旅を経験し、私たちと同じような課題や問題に毎日直面している他の人々とより簡単につながることができるようになりました。 もちろん、今では情報はずっと早く広まりますが、同じグループの一員であることを実感し、支援を得るために、直接に会う時間と機会を得ることができるという価値はいつも大切なことです。 まさにこの時間とこれらの側面が重要であることを踏...
2024.07.21 07:06 あの貝原益軒の意外な面 本書をまだ読み終わてはいないが、これを読んでよかった。益軒にはよく知られたさまざまな著作があり、その中に、今どきの旅行ガイド的はものがあること、など興味深い指摘がある。またあの『女大学』を益軒が書いたというのは誤りであること、今でも読まれている『養生訓』は幼少期の益軒は身体が弱く病気がちであったからだという理由、などなども理解できた。 益軒は公務が多かったが京都に24回(これ利用し、各地を回ってもいる)、江戸に12回、長崎に5回旅をした福岡藩内の領地も頻繁にまわっている。まさに、本書にあるように「諸国巡遊」している。代表的な紀行文に『西北紀行」が知られている。また京都案内書とういうべき『京城勝覧』もある。 その中で39歳の時に結婚した当時17歳の初(...
2024.07.20 21:19小畑精武『語りつぐ東京下町労働運動史』 今から何年前になるだろうか、江戸川区のある集りで同窓大学の先輩になる著者と出会ったのは。大学を出てから一貫して下町の労働運動に携わってきた著者の思いが凝縮した一冊になっている。 第Ⅴ章第13節「華やかな女性の憤慨」では、待遇に不満を爆発させた松竹レビューガールたちが水の江瀧子などのスターを中心にストライキ(1933年6月)を決行したことが紹介されている。「スターが先頭に立った争議への支援は全国に広が」った。しかし、松竹側は水の江瀧子たちを解雇したが、彼女たちは湯河原温泉の貸別荘を借りて立てこもった。これに対してもファンがお菓子やうどんを差し入れた。 だが、水の江は女優の原泉(作家中野重治の妻)とともに七月一二日に思想犯として特高に検挙され、警察署に留...
2024.06.01 01:18EU特別ニーズ・インクルーシブ教育機構の調査(2020/2021)報告EASIEのデータ収集業務では、毎年、定量的な国別データと定性的な国別背景情報を作成しており、すべての学習者のインクルーシブ教育へのアクセスに関する国レベルの作業に情報を提供するための各国間比較のデータや指標を作成している。これは2020/2021学年度に関するものである。 データは特別教育ニーズを持つ子どもたちが、①通常学校の通常学級や特別学級で学んでいることを意味する主流教育(mainstream education )、②通常学校でのインクルーシブ教育、③通常学校の特別学級、④分離された特別学校での教育、をそれぞれ受けている割合を初等教育(ISCED1)、前期中等教育(ISCED2)、後期中等教育(ISCED3)ごとに収集したものになっている。 ...
2024.05.29 00:33図書紹介:市川昭午著『学校経営学への期待』 なんと94歳になられる市川昭午先生が、この6月1日づけで「学校経営学への期待を教育開発研究所から公刊された。多数の著書がおありだが、そのなかでも半数以上を教育開発研究所から出版されている。同所が発行している『教職研修」という専門誌に継続的に執筆されている、その成果である。本書も主要部分は2019年9月号~2021年11月号に執筆されたものであるが、出版に際しては大幅に加筆されたとのことである。90歳を超えてからの執筆と94歳になってからの加筆作業、にわかには信じがたい。 さて本書の構成は次のようになっている。 第Ⅰ章 ”経営”の氾濫と「経営」の欠落 ・学校に経営はあるのか ・公立学校に「経営」はない ・旧学制下の学校管理論 ・学校”経営”論は...
2024.05.08 00:27カナダ・ニューブランズウィック州のインクルーシブ教育2012年の教育総研・研究委員会報告書に書いたもの。印字が薄いので、可能なら「教育総研、行くルーシブ教育推進研究プロジェクトチーム報告」で検索を。